米大手不動産投資会社Clarion Partners(クラリオン・パートナーズ)が、高齢者住宅市場への本格参入を発表しました。
40年以上にわたりオフィス、物流、商業施設などに投資してきた同社が、今月初めて高齢者住宅を購入。今後数年間にわたり、年間最大10億ドル〜15億ドル(約1,510億円〜2,265億円)規模の投資を実行する計画です。
🏡 高齢者住宅市場、投資マネーが急増中
クラリオンのジュリー・ロビンソン医療部門責任者は、「年間10億ドル規模の高齢者住宅ポートフォリオを構築したい」と語っています。
クラリオンは約730億ドル(約11兆円)の資産を運用しており、今回の参入は同市場への強い確信を示すものです。
同社が参入した背景には、
- ベビーブーマー世代の高齢化による需要増
- 新規開発の減少による供給不足
があります
不動産大手のWalker & Dunlopの最新レポートによると、
アメリカ合衆国の80歳以上の人口は2035年まで増加が続く見通しであり、
一方で新規開発率は過去3年間で2%以下に留まっています。
📈 稼働率はコロナ禍前の水準に回復し、90%を超えた
全米シニア住宅の平均稼働率は、2025年第3四半期に90%を突破そして、2019年以来の高水準。
内訳は以下の通りです:
- アクティブアダルト向け住宅:92%
- 自立型リビング:90%
- 介護付きリビング:87%
販売データでも勢いが見られ、過去12か月間の取引総額は187億ドル(約2兆8,237億円)と、3年ぶりの高水準を記録しています。
クラリオンが狙うのは「富裕層向け高品質住宅」
クラリオンが最初に取得したのは、バージニア州メカニクスビルの「Sancerre at Atlee Station」103戸
2023年に竣工した新築物件で、開業1年で入居率90.1%を達成した。
クラリオンは、医療系開発企業NexCore Group傘下の運営パートナーとしてシニアリビングを体験を継続起用し、ホスピタリティ重視の高品質運営を維持する方針です。
ロビンソン氏は次のように述べています:「私たちが目指すのは“ベスト・イン・クラス”な高齢者住宅、富裕層の高齢者とその家族の需要が、今後市場をけん引していく。」
高級志向が市場を二極化
投資マネーは高品質物件に集中しており、一方で老朽化物件や中間層向け施設は入居率や収益率の低下に苦しんでいます。
ウォーカー&ダンロップのシニアマネージングディレクター、ケビン・ジュスティ氏は、「優良物件は10件以上の入札が集まる一方、老朽物件はファイヤーセール(投げ売り)状態」と指摘。
また、コスト構造が改善しない限り、中間価格帯の高齢者住宅での成功モデルは見出しにくいと述べています。
🍷 「ハッピーアワーが一番人気」
クラリオンが購入したサンサーでは、入居者が楽しみにしているのはなんと毎日のハッピーアワー。
レストラン、バー、フィットネス、共用ラウンジなどを備え、「大学の寮のようにコミュニティを感じられる空間」がコンセプトだといいます。
🏁 まとめ
- クラリオンが高齢者住宅市場へ本格参入
- 年間最大15億ドル(約2,265億円)の投資を計画
- 米国では80歳以上人口が2035年まで増加見通し
- 稼働率は90%を超え、市場は供給不足となっている
- 投資マネーは富裕層向け高品質物件に集中
ベビーブーマー世代の高齢化を背景に、「住まい」×「ケア」×「ホスピタリティ」を融合させた高齢者住宅は、今後10年の有望セクターとして注目されています。