物流倉庫の取引は堅調、投資家の関心続く
アメリカの物流・倉庫不動産(インダストリアルセクター)は、金利上昇によるキャップレート(利回り)上昇にもかかわらず、依然として最も安定した投資分野のひとつとして注目を集めています。
不動産コンサルティング大手 サヴィルズ の最新データによると、2025年の倉庫取引額は四半期ベースで150億~250億ドル(約2.3~3.8兆円)を推移。
これはコロナ前(2015〜2019年)の水準を上回る取引ペースです。
キャップレートは6.3%台へ上昇
2024年から2025年にかけて、倉庫・物流施設の平均キャップレートは、現在約4.6%から、2025年末までに約4.7%まで微増すると予想されています。20ベーシスポイント上昇し、6.3%超に。
ただし、価格下落は限定的で、資産価値は安定的に推移しています。
投資家が資本コストの上昇を織り込みつつも、強固なネット営業利益(NOI)と旺盛な需要を評価していることが背景にあります。
物流・倉庫の価格は2020年比で47%上昇
サヴィルズの商業用不動産価格指数(CPPI)によると、物流・倉庫の不動産価格は2020年比で47%上昇しました。。
オフィス、小売、不動産全体の価格上昇が鈍化する中で、物流・製造業セクターの需要が価格上昇を牽引しています。
特に、eコマース需要や製造業の国内回帰(リショアリング)によって立地の良い近代的物流施設へのニーズが強く、価格の下支え要因となっています。
💳 延滞率はわずか0.6%、オフィスとの対照鮮明
CMBS(商業用不動産担保証券)の延滞率を見ると、物流・倉庫部門はわずか0.6パーセント。
一方で、他セクターは以下の通りです:
- オフィス11.1%
- 小売り6〜7パーセント前後
- マルチファミリー:6〜7パーセント前後
この差は、物流・倉庫の物件が健全なテナント構成・短い空室期間・堅実な資本構成を持っていることを示しています。
🧭 投資家の視点:安全資産としての地位を維持
Savillsは「需給バランスの安定・価格の底堅さ・低い債務リスク「」という3つの強みが投資家を引きつけていると分析。
キャップレートはやや上昇したものの、リスク調整後の魅力度は依然として高く、機関投資家やプライベートエクイティにとって「避難先」となっています。と指摘しています。