アメリカの建設業界では、深刻な人手不足に加え、移民労働者への取り締まりが強化され、現場に大きな影響が出始めています。
最新調査(全米建設業協会と建設教育研究センター)によると、全米のゼネコンのうち351社以上が、直接的または間接的に影響を受けたと回答しました。
現場での実際の影響
- 5%現場が移民局の査察を受けた
- 10%労働者が拘束・送還を恐れて離職
- 20%下請けの労働力喪失による影響
AGC(全米建設業協会)のチーフエコノミストは「建設現場は固定された場所で長期にわたり稼働するため、取り締まりの“標的”になりやすい」と指摘。
トランプ政権の大規模移民政策を背景に
2025年夏にトランプ大統領が署名した「One Big Beautiful Bill Act」により、
- 移民・国境警備予算 1700億ドル
- 移民・関税執行庁(ICE)新規予算 750億ドル
が投下され、過去最大規模の取り締まりが進行中です。
その結果、1日平均1,500人が拘束・送還される事態に。
建設業界の人手不足はさらに悪化
- 建設業界全体の労働力不足:約 45万人
- 移民労働者率:15〜23%(スカンスカ報告書)
調査では 92%のゼネコンは必要な人材を確保できていない と回答。
職業訓練や教育投資で補う動きはあるものの、「数年かかる」との見方が強く、即効性に欠けます。
📍 州別で最も影響が大きいのはジョージア州
- 75%のゼネコンが影響を受けた と回答
- サンベルト地域(南部州)を中心に、人口構成上の理由から影響が拡大
業界団体からの要望
AGCは次の政策を提言:
- 建設業に特化した特定技能ビザ制度 の創設
- 国内に既に滞在する移民への合法的就労経路の確保(TPS、亡命申請者、無許可移民を含む)
AGCは9月からホワイトハウスや労働省へ向けてデジタルキャンペーンを展開予定です。
✍️ まとめ
米建設業界は「労働力不足 × 移民取り締まり強化」という二重苦に直面。
現場では既に離職や作業停止のリスクが広がっており、建設コストの上昇と納期遅延にもつながる懸念があります。
業界は「合法的な労働経路の整備」を求めていますが、トランプ政権の強硬姿勢のもと、解決には時間がかかりそうです。